山口県山口市と萩市にまたがる長門峡は、自然の力が長い年月をかけて創り上げた渓谷美が楽しめる場所です。清流阿武川に沿って延びるこの渓谷は、四季折々の変化に富んだ風景が魅力で、訪れるたびに異なる表情を見せてくれます。特に秋の紅葉シーズンになると、燃えるような赤や橙、黄色の葉が渓谷を彩り、水面にも映り込んでまるで絵画のような景色が広がります。山口市側の道の駅「長門峡」からは、整備された遊歩道が続いており、気軽に渓谷散策を楽しめることから、多くの人が訪れています。
歩道の途中では、奇岩や断崖絶壁が連なるダイナミックな地形に目を奪われ、川のせせらぎや鳥のさえずりが耳に心地よく響きます。流れの緩やかな場所では、水の透明度が高く、水底の石や泳ぐ魚の姿もはっきりと見えるほどです。また、長門峡の中ほどの淵は、その水底に竜宮があるとの言い伝えから、竜宮淵(りゅうぐうぶち)といった名の付いた所もあります。
長門峡は全長およそ5.5キロメートルあり、所要時間としては2時間前後のトレッキングになりますが、高低差があまりないため、初心者や家族連れでも無理なく歩けるルートになっています。自然に包まれながらの散策は、日常の喧騒を離れて心をリフレッシュさせてくれるでしょう。さらに、長門峡周辺では地元の特産品を販売している店舗もあり、地元産の新鮮な野菜や果物、加工品などを楽しむこともできます。
また、長門峡の入口付近には観光案内所も併設されており、周辺の観光スポットや旬の情報を手に入れることができます。山口市と萩市を結ぶ観光ルートの中でも、自然との触れ合いを楽しみたい方にはぴったりの場所です。時間に余裕があれば、長門峡から足を延ばして萩市の歴史ある街並みや温泉地を巡る旅もおすすめです。季節ごとに違った魅力を感じられる長門峡は、訪れるたびに新しい発見をもたらしてくれる自然の宝庫です。
長門峡(山口県)

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