シカゴにあるフィールド自然史博物館は、1893年に開催されたシカゴ万博を契機に設立されました。この博物館は、世界中から集められた貴重な自然史のコレクションを展示することを目的に、シカゴ市民の寄付によって誕生しました。特に、この博物館の名前はデパート王マーシャル・フィールドの多大な寄付に由来しています。彼の支援により、当初はシカゴ博物館としてスタートしたこの施設は、数十年をかけて成長を遂げ、現在ではアメリカ最大級の自然史博物館として知られています。
館内に足を踏み入れると、まず目を引くのはエントランスホールに堂々と立つティラノサウルス・レックスの化石です。これは「スー」という愛称で親しまれており、最も保存状態の良いティラノサウルスの標本として有名です。この巨大な恐竜の化石は、恐竜時代の生態について学ぶことができるだけでなく、古生物学の分野での最新の研究成果も紹介されています。また、スーの展示は子供から大人まで幅広い層に人気があり、フィールド博物館のシンボル的存在となっています。
さらに、館内にはエジプト文明に関する展示もあり、実際のミイラや古代の工芸品を目の前で観察することができます。この展示は、古代文明に興味を持つ来館者にとって非常に魅力的です。また、エジプトの葬儀文化や宗教に関する解説も充実しており、まるで古代の世界にタイムスリップしたかのような体験ができます。
アフリカの動物群を再現したディオラマも、館内で注目される展示のひとつです。ライオン、ゾウ、キリンといった大型哺乳類が生き生きとした姿で表現されており、自然環境や動物の生態について学ぶことができます。展示は非常にリアルで、まるでサバンナの真ん中にいるかのような臨場感を味わえます。フィールド博物館は、単なる展示の場にとどまらず、来館者が自然界の多様性やその美しさを理解するための教育の場としても機能しています。
また、博物館は時折特別展を開催し、世界各地からの特別な展示物や最新の研究成果を紹介しています。これにより、訪れるたびに新たな発見や学びが得られるため、何度も足を運ぶ価値があります。フィールド自然史博物館は、その圧倒的な規模と質の高い展示を通じて、自然界の驚異を再発見させてくれる場所であり、シカゴを訪れる際にはぜひ立ち寄りたいスポットの一つです。
フィールド自然史博物館(アメリカ)

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