新湊きっときと市場（富山県）

　富山県射水市にある新湊きっときと市場は、富山湾に面した港町・新湊地区に位置し、地元の漁業文化と新鮮な海の幸を体感できる場所として、多くの観光客に親しまれています。「きっときと」とは富山の方言で「新鮮」という意味であり、その名の通り、朝獲れたばかりの魚介類がずらりと並ぶ様子は、まさに港町ならではの活気に満ちています。
　この市場がある射水市新湊地区は、古くから漁業とともに発展してきた地域で、特に白エビやベニズワイガニといった富山湾ならではの海産物が水揚げされる港として知られています。かつては漁師町として栄え、多くの人々が海とともに暮らしてきた歴史があり、その名残は今も市場や周辺の街並みに色濃く残されています。市場には、こうした地域の暮らしや文化を感じられる要素が随所に見られ、訪れる人々に新湊の魅力を伝えてくれます。
　施設内には、地元漁師が持ち寄った魚をその場で販売する鮮魚店のほか、海産物を使った料理を提供する食堂やレストラン、加工品を取り扱う土産物店などが並び、訪れた人は五感を通じて新湊の海の恵みを楽しむことができます。白エビのかき揚げ丼やベニズワイガニを使った料理は特に人気で、遠方から訪れる人々の目的にもなっています。また、タイミングが合えば、隣接する漁港で行われるセリの様子を見学することもでき、活気あふれる地元の漁業の一端を垣間見ることができます。
　さらに、この施設は単なる市場にとどまらず、地元の人々と観光客とをつなぐ交流の場としての役割も果たしています。イベントや地元の特産品フェアなども定期的に開催され、訪れるたびに新しい発見があるのも魅力のひとつです。射水市を訪れた際には、ぜひこの港町ならではのにぎわいと味覚を体験してみてください。新湊きっときと市場は、その土地で育まれてきた海の文化と人々のあたたかさを感じることができる、心に残るスポットです。