香川県坂出市から岡山県倉敷市へと連なる瀬戸大橋は、瀬戸内海の穏やかな海上をまたぎ、本州と四国を直接つなぐ大規模な構造物として多くの人々に親しまれています。坂出市から島々を経由して結ばれるこの橋は、全長が約12キロメートルにもおよび、鉄道と自動車が共用できる構造となっているのが大きな特徴です。青い空と海の間をまっすぐに貫くその姿は、遠くからでもよく目立ち、訪れる人々の目を引きつけます。
この橋の開通により、かつてはフェリーなどを使って移動するしかなかった四国と本州との行き来が格段に便利になり、坂出市の町並みにも新たなにぎわいがもたらされました。車窓から見渡す瀬戸内海の多島美は、時間帯によって表情を変え、特に夕暮れ時には橙色に染まる空と水面の輝きが見事な景色を作り出します。列車に乗ってゆっくりと橋を渡る旅もおすすめで、海面を滑るように走る感覚は、まるで船旅のような非日常を感じさせてくれます。
途中の与島パーキングエリアでは、橋の構造を間近に見ることができるほか、展望台からは瀬戸内海の島々が見渡せ、記念撮影のスポットとしても人気があります。また、晴れた日には小豆島や豊島まで見えることもあり、四国の自然の豊かさを実感できる場所でもあります。与島は坂出市に属しており、地域の特産品などを扱う売店も整っているため、休憩だけでなく、ちょっとした買い物も楽しめます。
さらに、夜になると橋全体がライトアップされ、青や白の光が静かに浮かび上がります。水面に映るその光景は幻想的で、日中とはまた異なる印象を与えます。坂出市内から望む瀬戸大橋の姿も美しく、市街地の高台や海岸沿いには、写真愛好家たちが訪れる撮影スポットが点在しています。
このように、坂出市を起点とした瀬戸大橋の旅は、交通の便だけでなく、景観や体験の面でも多くの魅力が詰まっており、四国を訪れる際にはぜひ立ち寄っていただきたい場所の一つです。瀬戸内の風に吹かれながら、橋の上から広がる景色に目を奪われる時間は、旅の思い出に深く刻まれることでしょう。
瀬戸大橋(香川県)

コメント