秋田県と青森県を結ぶ五能線を走る「リゾートしらかみ」は、日本海沿岸を巡る特別な列車として多くの観光客に愛されています。この観光列車は、1997年に運行を開始し、地元の自然や文化を満喫できるよう設計されました。その名の通り、世界自然遺産に登録された白神山地を間近に感じられるルートを通り、美しい日本海の景色とともに特別な旅を提供しています。
五能線は青森県の川部駅から秋田県の東能代駅までを結ぶ全長147.2kmの路線で、リゾートしらかみは特別な車両で運行されます。列車の窓からは、深浦町や能代市といった地域の穏やかな漁村風景が広がり、車窓越しに四季折々の景色を楽しむことができます。特に鰺ヶ沢町や深浦町では、波打ち際に広がる砂浜や青々とした海が織りなす景観が旅人を魅了します。冬には雪景色と荒波が織りなす力強い風景、春には桜や新緑、夏にはきらめく青い海と黄金色の夕日、秋には紅葉に彩られた山々と季節ごとに表情が変わる光景が堪能できます。
車内では地元文化を楽しむための工夫が凝らされています。例えば、津軽三味線の演奏や地元の特産品を紹介する販売コーナーが設けられ、列車の旅を通じて青森県や秋田県の文化に触れることができます。また、列車は「青池」「くまげら」「ぶな」の3つの編成があり、それぞれ異なる内装デザインが施されています。木材を活用した温かみのある空間や、広々とした窓ガラスを配した構造により、快適に景色を楽しむことができます。
途中には、十二湖駅という特別なスポットもあり、降車して散策を楽しむことが可能です。このエリアには、白神山地の中に点在する青池をはじめとした湖群が広がり、特に青池はその鮮やかなコバルトブルーの水色が訪れる人々に感動を与えます。白神山地の自然そのものを感じられる場所として、この地は特に人気があります。
このように「リゾートしらかみ」は、青森市から秋田市を結ぶ移動手段としてだけでなく、乗車そのものが旅の目的地となる特別な列車です。地域の魅力を凝縮したこの列車は、訪れる人々に五能線沿線の素晴らしさを存分に味わわせてくれる存在です。
リゾートしらかみ(秋田県)

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