宮島表参道商店街（広島県）

　広島県廿日市市にある宮島表参道商店街は、厳島神社への参拝や宮島観光の玄関口として、多くの人々で賑わう場所です。フェリーを降りてから厳島神社へ向かう途中に位置しており、参道の両側には多彩な店舗が立ち並び、昔ながらの風情と活気が共存しています。地元の特産品や伝統工芸品、名物の食べ歩きグルメが豊富に揃い、訪れる人々の五感を刺激してくれます。
　商店街を歩くと、まず目を引くのは香ばしい匂いが漂うもみじ饅頭の店々です。焼きたてのもみじ饅頭を提供する店では、ガラス越しに製造工程を見学できることもあり、甘い香りに誘われて立ち寄る人も多く見られます。また、宮島名物のあなご飯を扱う飲食店も軒を連ね、炭火で焼かれた香ばしいあなごの味わいは旅の楽しみのひとつとなっています。ほかにも、杓子の形をした雑貨や縁起物の土産物、鹿をモチーフにした商品など、島ならではの品が多く揃っています。
　通りの途中では、時折鹿と出会うこともあり、自然と文化が調和した宮島の空気を感じることができます。石畳の通りに揃えられた木造の建物は、どこか懐かしさを感じさせる佇まいで、写真映えする景観としても人気があります。休日や観光シーズンには多くの人で賑わいますが、早朝や夕方には静かな雰囲気が戻り、のんびりと散策を楽しむのにぴったりな時間帯です。
　廿日市市のこのエリアでは、地元の人々の温かいもてなしの心にも触れることができます。声をかければ気さくに応じてくれる店主も多く、会話を通して地域の魅力をより深く知ることができます。海と山に囲まれた宮島の自然に包まれながら、この通りを歩くことで、単なる買い物以上の体験が得られることでしょう。食、工芸、そして人とのふれあいが融合したこの通りは、訪れるたびに新たな発見がある、そんな場所となっています。