宮ケ瀬湖（神奈川県）

　神奈川県愛甲郡清川村に位置する宮ケ瀬湖は、丹沢山地の自然に抱かれた美しい人造湖です。この湖は、首都圏の水源としての重要な役割を担っており、その誕生には長い年月と多くの人々の協力が関わっています。宮ケ瀬湖は、相模川水系の中津川をせき止めて建設された宮ケ瀬ダムによって誕生しました。ダムの建設計画は戦後間もなく立ち上がり、実際の工事が始まったのは1980年代、そして完成したのは2000年のことです。この間、多くの集落が水没し、住民の移転や生活の再建といった大きな変化が伴いました。現在では、清川村をはじめ、隣接する厚木市や愛川町といった地域とともに、地域の貴重な水資源と観光地の両方を支える存在となっています。
　湖の周辺は、自然と人が共存する空間として整備されており、訪れる人々を四季折々の風景で楽しませてくれます。春には桜が湖畔を彩り、夏にはキャンプやカヌーなどのアクティビティが盛んに行われます。秋には山々が紅葉に包まれ、湖面に映る赤や黄色の景色はまるで絵画のようです。そして冬になると、宮ケ瀬のクリスマスイルミネーションが多くの人々を引きつけます。このイベントは、地元住民の手によって毎年丁寧に準備され、巨大なツリーや装飾が湖畔を華やかに彩ります。
　また、湖の周囲には宮ケ瀬水の郷地区や鳥居原エリアなど、個性的なスポットが点在しています。水の郷地区では地元の特産品や工芸品を扱う店が並び、訪れる人々に清川村の魅力を伝えています。一方、鳥居原エリアからは宮ケ瀬湖全体を一望することができ、展望台やカフェから眺める湖の景色は格別です。さらに、丹沢山系の登山口にも近く、ハイキングや登山を楽しむ人々の拠点にもなっています。
　このように、宮ケ瀬湖は清川村の自然と人々の暮らしが調和する場所として、多くの人に親しまれています。都市部からのアクセスも比較的良好で、日帰りでも訪れることができるため、自然に癒やされたい方には特におすすめの場所です。