黒壁スクエア(滋賀県)

 滋賀県長浜市にある黒壁スクエアは、かつて北国街道の宿場町として栄えた場所に広がる、風情あふれる観光エリアです。明治時代に建てられた黒漆喰の洋風建築「黒壁銀行」を中心に、昔ながらの町並みが今も大切に残されています。このエリアは、1980年代に地域の有志がまちづくりの一環として再生を図ったことがきっかけで、古い建物を活かしながらガラス工芸をはじめとするさまざまな文化や芸術の発信地として生まれ変わりました。
 黒壁スクエアに足を踏み入れると、ガラスショップや体験工房、カフェやギャラリーなどが点在し、訪れる人々の目を楽しませてくれます。特に「黒壁ガラス館」は、世界各国から集められた美しいガラス製品が所狭しと並ぶ人気のスポットで、吹きガラスの制作風景を間近で見ることもできます。自分だけのオリジナル作品を作る体験も用意されており、旅の記念として多くの観光客が挑戦しています。
 また、通りを歩くだけでも楽しいのがこのエリアの魅力です。石畳が敷かれ、軒を連ねる建物には歴史を感じさせる趣が漂い、四季折々の装飾や地元の祭りなども訪れるタイミングによって違った表情を見せてくれます。さらに、地元の食材を使った料理を味わえる飲食店も多く、長浜市ならではの味覚も楽しめます。
 黒壁スクエアは、過去と現在が美しく調和した場所であり、ただの観光地というよりも、地域の人々の想いが息づく空間といえるでしょう。長浜市を訪れた際には、ぜひゆっくりと歩きながら、街の空気に触れ、職人たちの技や地元の文化にふれてみることをおすすめします。訪れるたびに新たな発見がある、そんな魅力がこの場所には詰まっています。

コメント