香川県観音寺市にある琴弾公園は、瀬戸内海を望む風光明媚な場所に位置し、自然の美しさと人の手によって築かれた景観が見事に調和しています。そのなかでも特に注目されているのが、琴弾山の中腹から一望できる巨大な砂の図形「銭形砂絵」です。直径は約122メートル、東西に90メートルという壮大なスケールで、「寛永通宝」という文字がくっきりと描かれています。白砂でかたどられたこの図形は、海岸の松林を背景にして浮かび上がるように見え、昼間はもちろん、夜間にライトアップされると一層幻想的な雰囲気を漂わせます。
この砂絵を目にすると、「健康で長生きできる」「お金に困らない」といった言い伝えがあり、多くの人がその姿をひと目見ようと足を運びます。観音寺市の街並みや海岸線とあわせて見下ろすことができる琴弾山の展望台からは、その全体像を鮮明に眺めることができ、訪れた人々に深い感動を与えてくれます。また、公園内には松の木が立ち並び、散策路も整備されているため、季節ごとの自然を楽しみながらのんびりと歩くことができます。春には桜、秋には紅葉が彩りを添え、訪れるたびに異なる表情を見せてくれます。
さらに、琴弾公園には琴弾八幡宮や美しい浜辺もあり、穏やかな波の音を聞きながら過ごす時間は、日常の喧騒を忘れさせてくれるひとときとなるでしょう。公園の名前にもある「琴弾」は、かつてこの地に流れ着いた琴が弾かれたという伝承にちなむもので、その音色をイメージさせるような静けさと優雅さが漂っています。観音寺市という町の名にも通じるように、どこか心を落ち着かせてくれるこの場所は、写真では伝えきれない魅力が詰まっており、実際に足を運んでその空気に触れてみることで、はじめてその良さが実感できるはずです。
琴弾公園 銭形砂絵(香川県)

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