高知県高知市にある桂浜水族館は、太平洋を望む桂浜のすぐそばに位置し、波音が届くような距離にあるため、海辺の自然と調和した空間が広がっています。館内はそれほど大きくはありませんが、その分、来館者と生き物との距離がとても近く、まるで友達のように接することができる雰囲気が漂っています。展示されている生物は、土佐湾をはじめとする高知県近海で見られる魚や貝、甲殻類などが中心で、地元の海に生きる多様な命を身近に感じられる構成となっています。
建物の中に入ると、最初に目を引くのは円形の大きな水槽で、そこではウミガメがゆったりと泳いでいます。また、ニホンウナギやアカメといった四国ならではの淡水魚も紹介されており、海だけでなく川や池に生きる生物の様子にも触れられます。さらに、館外に設けられたプールではアシカやペンギンが暮らしており、時間帯によっては飼育員による餌やりの様子を間近で見ることができます。こうした生き物たちとの触れ合いを通して、大人も子どもも自然への関心を深められるような工夫が感じられます。
また、桂浜水族館は独自の取り組みでも知られており、館内のあちらこちらにユーモアを交えた手書きの解説が掲示されていて、読みながら思わず笑みがこぼれることもしばしばです。スタッフの方々の生き物への愛情や高知らしい明るい気質がにじみ出ており、水族館という枠にとどまらない、温かい空間となっています。
さらに、すぐそばの桂浜海岸と組み合わせて訪れることで、海の景色と生物の両方を一度に楽しめるのも魅力の一つです。桂浜の浜辺からの雄大な景色を堪能したあとに、同じ海に生きる生物たちの姿を間近で見られるという流れは、訪れる人の心に深い印象を残します。高知市を訪れた際には、自然と人とがつながるこの水族館に、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
桂浜水族館(高知県)
