皆生温泉（鳥取県）

　鳥取県米子市に位置する皆生温泉は、日本海に面した心地よい潮風と、白砂の海岸線が印象的な海辺の温泉地です。海と温泉の両方を楽しめるこの場所は、四季折々の風景と共に、多くの旅人に癒しを与えてきました。米子市の市街地からもアクセスしやすく、旅の途中にふらりと立ち寄ることもできます。
　湯けむりが立ちのぼる宿の並びは、旅情を感じさせる独特の雰囲気を醸し出しており、朝夕には潮騒とともに心穏やかな時間が流れます。お湯は無色透明で柔らかく、肌にやさしくなじむ感触が特徴です。海辺にありながらも塩分を含まず、湯あがりの爽快感が魅力とされ、多くの人々が繰り返し訪れています。
　浜辺の遊歩道からは、日本海の水平線を一望でき、晴れた日には遠く大山の稜線も望むことができます。夏には海水浴を楽しむ家族連れや、ビーチ沿いをランニングする人々の姿も多く見られ、賑やかな声が響きます。一方、冬には波の音とともに静かな時間が流れ、温泉に浸かりながらしみじみと季節の移ろいを味わうことができます。
　また、皆生温泉周辺には海産物の味わいも豊かで、松葉ガニや白イカ、地元で獲れる新鮮な魚介類を使った料理が楽しめます。とりわけ冬の味覚は格別で、旅館や食事処では地元の素材を活かした会席料理がふるまわれ、舌でも米子の恵みを実感できます。
　温泉街の一角には足湯や公園も整備されており、気軽に温もりを感じながら散策を楽しめます。街並みには温泉マークが描かれた灯籠や、風情ある木造の建物も点在し、歩くだけでも心が和らぐような空間です。さらに、近くには水木しげるロードや大山などもあるため、観光拠点としても便利な立地となっています。
　皆生温泉は、旅の疲れを癒すと同時に、海の風景や土地の恵みと触れ合える場所です。米子市を訪れる際には、ぜひこの海辺の湯のまちで、心と体をゆっくりと休めてみてください。