三重県志摩市の南端に位置する御座白浜海水浴場は、古くから地元の人々に親しまれてきた海辺の集落・御座地区にあります。この一帯は伊勢志摩国立公園内に含まれており、自然の美しさが守られてきた地域のひとつです。御座という地名には、かつて伊勢神宮へ向かう海路の中継地として船が「御座す(ござす)」場所であったことに由来するという説があり、海とのつながりが深い場所であることがうかがえます。昔から漁業が盛んで、住民たちは豊かな海の恵みと共に暮らしてきました。
御座白浜の特徴は、その名のとおり真っ白な砂浜にあります。白砂青松という言葉がぴったり当てはまるような、きめ細かい白い砂と、透き通るような青い海が広がる光景は、まるで南国のリゾートを思わせます。波は比較的穏やかで、遠浅の海岸線が続くため、小さなお子様連れの家族にも安心して楽しんでいただけます。夏のシーズンになると、全国各地から海水浴客が訪れ、賑わいを見せますが、都市部の海岸に比べて落ち着いた雰囲気が保たれており、静かに自然を満喫したい方にもおすすめです。
また、この地域は夕陽が美しいことでも知られています。夕暮れ時には、水平線に沈んでいく太陽が空と海を茜色に染め、静寂の中に圧倒的な光のドラマを描き出します。浜辺に座ってこの景色を眺めているだけでも、訪れる価値があると感じられるでしょう。さらに、近くの漁港では新鮮な魚介類を使った料理を味わうことができ、伊勢エビやアワビ、サザエなど、志摩ならではの海の幸も楽しみのひとつとなっています。
海水浴場から少し足を延ばせば、志摩市内には英虞湾のリアス式海岸や、展望台からの絶景を楽しめるスポットも点在しています。自然との距離がとても近く、日常を忘れさせてくれるような場所、それが御座白浜なのです。都会の喧騒から離れ、静けさと癒しを求める旅には、まさにうってつけの海辺の隠れ家といえるでしょう。
御座白浜海水浴場(三重県)

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