岐阜県各務原市にある「世界淡水魚園水族館 アクア・トト ぎふ」は、長良川の自然や生態系を体感できる、日本でも珍しい淡水魚専門の水族館です。この施設は、2004年にオープンし、河川環境楽園という複合施設の一部として誕生しました。名前にある「アクア」は水、「トト」は魚を意味する幼児語で、「覚えやすく親しみやすいように」との想いが込められています。
この水族館の最大の特徴は、館内の展示が長良川の源流から河口へと流れる自然の流れに沿って構成されている点です。来館者は、上流に住むイワナやアマゴなどの魚から始まり、川を下るにつれてナマズやコイといった淡水魚、そしてやがて世界の大河へと展示が広がっていく構成の中で、まるで一つの川を旅しているかのような感覚を味わうことができます。特に長良川は、日本でも数少ない清流の一つとして知られ、アユ漁や鵜飼などの伝統文化とも深く関わりがあります。アクア・トト ぎふでは、こうした地域文化とのつながりも感じられる展示が工夫されており、自然と人との関係についても学ぶことができます。
さらに注目すべきは、世界の淡水域に生息する生物たちの展示です。アマゾン川やメコン川、コンゴ川など、世界の有名な川の環境を再現した水槽には、ピラルクやメコンオオナマズといった巨大魚も飼育されています。これらの展示は、生物の迫力だけでなく、それぞれの川が持つ独自の生態系や環境問題について考えるきっかけにもなっています。単に魚を眺めるだけではなく、地球規模での水の大切さや自然環境の保全について学べる構成になっているのが特徴です。
館内には子どもたちが楽しめる体験型のスペースもあり、家族連れにも人気があります。また、水族館に隣接する「オアシスパーク」では、四季折々の自然を感じながら散策したり、地元の食材を使ったグルメを味わうこともできます。岐阜の豊かな自然とつながったこの施設は、一日を通して大人から子どもまで楽しめる、知的好奇心と感動を刺激する場所です。
世界淡水魚園水族館 アクア・トト ぎふ(岐阜県)

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