ブリュッセルの中心部を歩いていると、こじんまりとした可愛らしい像に出会います。それが有名な「小便小僧」です。17世紀に作られたこの像は、ブリュッセルの人々にとって特別な存在であり、長い間愛されてきました。高さはわずか61センチほどで、ブリュッセルの観光名所の中でも一際小さなものですが、その知名度は非常に高く、街を象徴するシンボルとなっています。
小便小僧には数多くの伝説があり、どれも興味深いものばかりです。中でも、ある少年が火事を消すために放尿したというエピソードが最も有名で、勇敢さを象徴する存在として語り継がれています。その他にも、戦時中に敵を侮辱した話や、商人の息子が行方不明となり、無事に見つかったことを祝うために作られたという説もあります。これらの物語が、小便小僧をさらに魅力的な存在にしています。
また、街を訪れるたびに違った姿で楽しめるのも魅力の一つです。小便小僧は年間を通じて様々なコスチュームを着ており、国の祝日やイベントに合わせた衣装が準備されます。彼の衣装コレクションは非常に豊富で、衣装を専門に管理する団体まで存在しています。衣装の展示はすぐ近くの博物館で見ることができ、その数は1000点以上にも及びます。
小便小僧は単なる像に留まらず、街全体が一体となってその存在を祝っています。例えば、ビールの街であるブリュッセルらしく、小便小僧がビールを注ぐイベントも開催され、地元住民や観光客にとって大きな楽しみとなっています。また、隣接するチョコレートショップなどでは、彼を模したチョコレートが販売され、観光客に人気です。
ブリュッセルを訪れた際には、この小さな像にぜひ足を運んでみてください。街の文化と人々の愛情が詰まった、小便小僧の魅力を存分に感じることができるでしょう。彼の姿を見つめることで、街の歴史や人々の生活に触れる特別な瞬間を味わうことができるはずです。
小便小僧(ベルギー)
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