開聞岳(鹿児島県)

 開聞岳は、鹿児島県の薩摩半島南端に位置する標高924 mの火山で、日本百名山や九州百名山にも選定されています。山麓の北東半分は陸地にあり、南西半分は海に面しており、円錐形の山容から「薩摩富士」とも呼ばれています。
 この火山は約4,400年前から活動を開始し、有史以降の噴火記録は6世紀ごろからあり、874年と885年に、大噴火を経験しています。山体は主に粘性の少ない玄武岩で形成されており、山頂付近の溶岩ドームは安山岩でできています。
 開聞岳の南麓には幅7.8 km、長さ9.3 kmの馬蹄形の海底崖や多数の流れ山があります。また、7世紀末頃と9世紀末頃の噴火による噴出物の堆積層は、「青コラ」と「紫コラ」と呼ばれ、薩摩半島南部で見られる地層として重要な情報を提供しています。
 開聞岳の周辺は美しい自然景観が広がっており、らせん状の登山道が整備されています。登山は比較的容易で、約3時間程度で山頂に到達できます。山頂には岩が露出し、北側からは池田湖、南側からは太平洋など360度の展望が楽しめます。
 開聞岳は、鹿児島県指宿市に位置し、周辺の地域とともに観光客にとって魅力的なスポットです。その美しい山容や自然の景観、豊かな歴史的背景に触れながら、登山やトレッキングを楽しむことができます。また、開聞岳は海上交通における目印とされ、海からの景観も楽しむことができます。

コメント