愛媛県上浮穴郡久万高原町に位置する四国カルストは、まるで空に浮かぶ草原のような風景が広がる特別な場所です。高知県との県境にまたがって延びるこのカルスト台地は、標高およそ1,000〜1,400メートルに位置しており、目の前には緩やかな稜線とともに広がる緑の大地と白くごつごつとした石灰岩の岩肌が美しいコントラストを描いています。この地域を横断する県道383号線、通称「天空の道」は、晴れた日には雲海の上を走っているかのような感覚を味わえることで知られ、多くの旅行者が訪れる理由の一つとなっています。
夏の季節には、この広々とした台地に牛が放牧され、のどかな牧歌的な風景が広がります。時折吹き抜ける涼風とともに草の香りが漂い、都会の喧騒から離れて心を解き放つことができます。特に久万高原町側には宿泊施設や飲食店も整っており、ここで味わえるソフトクリームは、地元の搾りたて牛乳を使用したもの。なめらかな口当たりとほのかな甘さは、旅の疲れを癒してくれる優しい味わいです。
夜になると、辺りは静けさに包まれ、空には満天の星が瞬き始めます。人工の明かりがほとんどないこの地域では、天の川をはじめとする星々が手に届きそうなほど鮮明に浮かび上がります。運が良ければ、無数の流れ星が夜空を横切る様子を目にすることもできるでしょう。宿泊してゆっくりと星空を眺める時間は、この地で過ごす特別な体験の一つです。
季節ごとに姿を変える四国カルストは、春には新緑、夏には放牧風景、秋には紅葉、そして冬には雪化粧と、訪れるたびに異なる表情を見せてくれます。愛媛県久万高原町を通じてアクセスも整備されており、日帰りでも宿泊でも自然の魅力をたっぷり堪能できる場所です。四国の屋根と称されるこの雄大な高原は、訪れる人々に深い感動と癒しを与えてくれます。
四国カルスト(愛媛県)

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