愛媛県今治市と広島県尾道市を結ぶしまなみ海道の中でも、ひときわ目を引くのが来島海峡大橋です。この橋は今治市の海岸から、来島海峡を越えて大島へと続く巨大な構造物で、三連の吊り橋としては世界でも有数の規模を誇ります。瀬戸内海の急流として知られる来島海峡をまたぐこの橋は、見上げるだけでも圧倒される大きさで、訪れる人々の目を奪います。
今治市の糸山公園展望台からは、全体像を間近に眺めることができ、天気のよい日には空と海と橋が溶け合うような景色が広がります。早朝や夕暮れ時には、光の具合によって橋のシルエットが柔らかく浮かび上がり、刻々と変化する海と空の色が旅の記憶に残る印象的なひとときを演出してくれます。
自動車だけでなく、自転車や徒歩でも通行できるこの橋は、特にサイクリストにとっては夢のようなルートです。しまなみ海道のサイクリングコースの一部として整備されており、今治市内からスタートして来島海峡を渡ると、潮風を感じながら、瀬戸内の多島美に包まれる爽快な体験ができます。橋の途中には自転車を停めて景色を楽しめるスペースも設けられており、道中でゆっくり写真を撮ったり、海を眺めたりすることも可能です。
橋の下を流れる来島海峡では、大小の船が頻繁に行き交い、潮流が激しく渦を巻く様子が確認できます。この海峡は、古くから海上交通の難所として知られており、今も多くの船舶が航行する重要な航路となっています。そのため、今治市側にある「来島海峡展望館」では、航行する船を間近に見下ろしながら、周辺の地理や構造について学べる展示があり、家族連れにも人気の場所です。
また、夜には橋全体がライトアップされ、今治の街とともに幻想的な雰囲気を作り出します。光に包まれた橋を眺めながらの夜のドライブや散策は、昼間とはまた異なる美しさを感じられることでしょう。海と橋と光が織り成すこの風景は、今治市を訪れる誰にとっても、心に残る体験になるはずです。
来島海峡大橋(愛媛県)

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