香川県琴平町にある金刀比羅宮は、讃岐平野の南部にそびえる象頭山の中腹に位置し、その厳かな佇まいが多くの人々を引きつけています。古くから「こんぴらさん」の名で親しまれており、海の安全を願う人々をはじめ、さまざまな願いを胸に参拝する方々が全国から訪れています。境内へと続く参道には、石段が延々と連なっており、その数は本宮までで785段、さらに奥社まで進むと1,368段にもなります。石段を上る途中には、土産物店や讃岐うどんの店が並び、町のにぎわいを肌で感じながら進む楽しさがあります。
本宮に到着すると、荘厳な社殿が姿を現します。木々に囲まれた静寂の中に佇むこの社殿からは、琴平町の街並みを見下ろすことができ、晴れた日には遠く讃岐富士の姿も望めます。境内には、絵馬殿や宝物館、さらに美術館(高橋由一館)も併設されており、長い年月にわたって奉納された絵馬や書画、貴重な品々が展示されています。特に船の模型や海に関する品が多く見られ、海とともに生きてきた人々の祈りが感じられます。
また、本宮の奥に進むと、静けさがより一層深まる奥社があります。この場所まで足を運ぶことで、自然と向き合うひとときを得られ、登り切った達成感とともに、自分自身を見つめ直す時間にもなるでしょう。道中には樹齢数百年の木々や清らかな水が流れる場所があり、自然の豊かさを実感できます。
金刀比羅宮では、年間を通じてさまざまな行事や神事が執り行われており、訪れる時期によって異なる表情を見せてくれます。特に初詣の時期や春の桜の季節には、多くの参拝者で賑わいを見せ、町全体が活気にあふれます。琴平町を訪れる際には、参拝だけでなく、門前町の散策や伝統的な宿に泊まることで、古き良き日本の文化や人々の温かさにも触れることができます。金刀比羅宮は、ただの観光地ではなく、心を整える旅の終着点として、多くの人々に深い感動を与えてくれます。
金刀比羅宮(香川県)

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