角島(山口県)

 山口県下関市に位置する角島は、日本海に浮かぶ小さな島ながら、多くの人々を惹きつける魅力にあふれた場所です。角島大橋を渡って島に足を踏み入れた瞬間、エメラルドグリーンの海と白砂の浜辺が広がる景色に、誰もが心を奪われます。この橋は本州と角島を結ぶ全長1,780メートルの壮麗な構造で、海の上をまっすぐに延びるその姿は、まるで空に浮かぶ道のようにも見えます。ドライブを楽しむ方にとっては、絶好のロケーションとなっており、特に晴れた日には車窓からの眺めが格別です。
 島内に進むと、角島灯台が目に入ります。この灯台は白亜の石造りで、明治時代に建てられたものです。現在もその姿を保ちながら海上の安全を見守り続けており、内部のらせん階段を登ることで、360度の大パノラマを楽しむことができます。水平線の向こうまで見渡せるその展望は、訪れる人に清々しさと静けさを届けてくれます。
 また、角島の海辺には遠浅の海水浴場が点在しており、夏場には家族連れや若者たちで賑わいます。特に「角島大浜海水浴場」は、透明度の高い水質と白く輝く砂浜で知られており、足を浸すだけでも心が洗われるような気分になります。浜辺では貝殻を拾ったり、波打ち際を散歩したりするのも楽しく、時間を忘れて過ごせることでしょう。
 さらに、角島の西側には断崖絶壁の風景が広がっており、夕暮れ時には空と海が茜色に染まり、旅の終わりを飾るにふさわしい光景を見せてくれます。日中の明るく爽やかな印象とはまた違った、静寂と荘厳さが漂うこの時間帯には、多くのカメラ愛好家が集まります。
 下関市の中でも自然と人工美が調和するこの島は、日常から一歩離れた穏やかな時間を過ごすのに最適な場所です。島全体に流れるゆったりとした空気は、訪れる人々に癒やしと感動を与え続けています。

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