鳥取県西伯郡伯耆町に位置する大山桝水高原は、大山の西麓に広がる自然豊かな高原地帯で、訪れる人々に四季折々の魅力を届けてくれます。標高約900メートルのこの場所は、眼下に日本海、遠くには島根半島を望むことができる開放感のある景色が広がっており、晴れた日にはまるで空に浮かぶような感覚を味わえます。
春には新緑が一斉に芽吹き、爽やかな風に揺れる草花たちが静かな山の息吹を伝えてくれます。夏になると涼風が心地よく、高原の散策道では鳥のさえずりが響き渡り、日常の喧騒を忘れさせてくれます。秋になると山々が赤や黄に染まり、夕暮れ時には日本海に沈む夕日と紅葉の織りなす絶景が訪れた人々の心を惹きつけます。そして冬は一転して一面の銀世界へと姿を変え、スキーやスノーボードを楽しむ人々で賑わいます。
桝水高原には観光リフトが設置されており、これに乗るとゆったりとした空中散歩のような感覚で大山の風景を楽しむことができます。特に夏から秋にかけては空気が澄みわたり、リフトの上からは伯耆町の田園風景やその先に広がる日本海の青が目に飛び込んできます。また、高原の中心にある芝生広場では、家族連れやカップルが思い思いの時間を過ごしており、ベンチに腰掛けて風に耳を澄ませると、山と空の静けさに心がほどけていくようです。
近隣には、地元の特産品を味わえるレストハウスもあり、大山山麓で育てられた食材を使った料理や、ここならではの乳製品、スイーツなどを楽しむことができます。また夜になると、空気の澄んだ高原ならではの星空が広がり、まるでプラネタリウムのような夜空を見上げることができます。特に夏の夜は流れ星を探す人々が集まり、静かな感動を分かち合う場となっています。
このように、大山桝水高原は伯耆町の豊かな自然の中で、季節ごとに異なる表情を見せながら訪れる人の五感をやさしく包み込んでくれる場所です。自然と一体になれる心地よさと、そこで出会える静かな感動が、きっと訪れる旅人の記憶に深く刻まれることでしょう。
大山桝水高原(鳥取県)

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