滋賀県甲賀市に位置する「甲賀の里忍術村」は、かつて実在した忍者集団・甲賀忍者の足跡を体感できる、自然豊かな山里に広がる体験型のテーマ施設です。甲賀市は、かの有名な伊賀と並び称される忍者の里として知られ、戦国時代には甲賀五十三家と呼ばれる忍者の一族が連携し、独自の自治を築いていたとされています。そうした背景をもとに、この村では甲賀忍者の知恵や技術、そして暮らしぶりに触れることができます。
村の中心には、昔ながらの茅葺き屋根の建物が並び、その一つひとつに忍者の仕掛けが施されています。例えば、外から見ると普通の民家のように見えても、内部には回転扉や落とし穴、隠し階段などが巧妙に隠されており、まるで忍者屋敷の中に入り込んだかのような感覚を味わうことができます。また、資料館では古文書や忍具が展示されており、忍者がどのように情報を収集し、任務を遂行していたかがよく分かります。こうした展示を通じて、忍者が単なる戦士ではなく、戦国の世において情報戦や調略の専門家として重要な役割を果たしていたことが理解できます。
さらに、手裏剣投げや吹き矢、壁登りといった体験コーナーも充実しており、子どもから大人まで楽しみながら忍者の技に挑戦できます。特に手裏剣投げは人気が高く、コツをつかむまで何度も挑戦する来場者の姿が多く見られます。忍者装束をレンタルして村内を歩けば、まるで自分が忍者になったかのような気分に浸ることができ、写真撮影にもぴったりのスポットです。周囲の山々と自然が織りなす風景も美しく、四季折々の景色の中で忍者の世界観を存分に堪能することができます。
甲賀の里忍術村は、ただの観光地ではなく、甲賀市が持つ豊かな文化遺産を肌で感じられる場所です。歴史と遊びが融合したこの場所で、かつての忍者たちが生きた世界に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
甲賀の里忍術村(滋賀県)

コメント