ミシガンクルーズ(滋賀県)

 滋賀県大津市を中心に琵琶湖を巡る「ミシガンクルーズ」は、日本にいながらアメリカの雰囲気を味わえるユニークな観光船として知られています。その名の通り、アメリカ・ミシガン州との友好関係から誕生したこのクルーズ船は、昭和57年(1982年)に初めて運航を開始しました。大津市とミシガン州の州都ランシング市は姉妹都市として提携しており、この友好の証として誕生したのが、このアメリカ南部風の外観をもつ船です。白く大きな外輪船のスタイルは、ミシシッピ川を思わせるデザインで、多くの人の目を引きます。
 出発地点は大津港で、船に乗り込むとすぐに広がるのは、びわ湖の雄大な景色です。晴れた日には、遠くに比良山系が望め、湖面には太陽の光がきらめいて、まるで絵画のような美しさを楽しむことができます。船内ではジャズやポップスなどの生演奏が行われる時間帯もあり、観光客は心地よい音楽に包まれながら湖上の旅を堪能できます。デッキに出れば、心地よい風を感じながら360度のパノラマ風景を見渡すことができ、四季折々の自然を満喫できます。春には桜並木が湖畔に彩りを添え、夏は青空と湖の青が鮮やかなコントラストを生み出します。秋になると山々が紅葉に染まり、冬には雪化粧をした比叡山が望めるなど、訪れる時期によって違った表情を楽しむことができます。
 船内のレストランでは、近江牛をはじめとする滋賀の地元食材を使った料理を味わうことができ、食事を楽しみながら湖上の時間を過ごせるのも魅力のひとつです。また、船にはお土産コーナーもあり、地元の特産品やオリジナルグッズを購入することも可能です。観光だけでなく、地元の文化や味覚にも触れられる工夫がなされています。
 ミシガンクルーズは、大津市を訪れる人々にとってただの移動手段ではなく、びわ湖という日本最大の湖を体感し、その魅力を五感で味わう特別な体験を提供しています。家族連れやカップルはもちろん、ひとり旅の方でも十分に楽しめる内容となっており、滋賀県を訪れる際にはぜひ一度乗船していただきたい観光船です。

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