愛知県北設楽郡豊根村と長野県の境に位置する茶臼山高原は、標高1,415メートルの茶臼山と、それに隣接する萩太郎山を中心とした自然豊かな地域で、四季折々の美しい風景が楽しめる場所として知られています。かつてこの一帯は、三河と信濃を結ぶ交通の要衝として利用されており、古くから山岳信仰や修験道の修行の場ともされてきました。また、戦国時代にはこの周辺の山々が軍事的な見張り台や陣地として活用されたこともあるとされ、自然だけでなく、地域の営みと深く結びついた山域でもあります。
春になると、萩太郎山の斜面一面に芝桜が咲き誇り、ピンクや白、紫など色とりどりの花が山肌を染め上げます。この芝桜の風景は、まるで花の絨毯のように広がり、多くの観光客がその美しさを求めて訪れます。特に5月中旬から6月上旬にかけてが見頃となっており、その時期には茶臼山高原芝桜まつりも開催され、地元の特産品を扱う屋台や音楽イベントなども楽しむことができます。
夏には涼しい高原の気候を活かしてハイキングやサイクリングが盛んになり、ファミリーやアウトドア愛好家にとって理想的な避暑地となります。さらに、夜には空気が澄んで星空が美しく、天体観測スポットとしても人気があります。秋には一帯の木々が色づき、特にカエデやブナの紅葉が鮮やかで、訪れる人々を魅了します。そして冬になると、茶臼山高原スキー場がオープンし、初心者から家族連れまで幅広く楽しめるゲレンデが整備され、多くの人々で賑わいます。
豊根村にあるこの高原地域は、季節ごとに表情を変えながら、人々の心を和ませる場所となっています。都市部からのアクセスも車で比較的容易なため、日帰りや短期の旅行先としても人気が高まっています。自然と触れ合い、静かな時を過ごしたい方には特におすすめの場所です。
茶臼山高原(愛知県)

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