富士サファリパーク(静岡県)

 静岡県裾野市にある富士サファリパークは、1980年に開園した日本初の本格的なサファリ形式の動物園として知られています。静岡県東部、雄大な富士山の南麓に位置しており、その広大な敷地を活かして、動物たちが自然に近い状態で暮らす姿を間近に観察できる施設として、多くの観光客に親しまれています。開園当初から「動物たちの本来の姿を伝える」ことを理念に掲げ、車に乗ったまま動物の生活空間に入っていく「ドライブスルー方式」が採用されているのが最大の特徴です。これは、日本では当時まだ珍しいスタイルで、来園者が檻の外から動物を見るのではなく、まるで自然の中に入り込んだような感覚を味わえる画期的な方法でした。
 園内にはライオン、トラ、チーターなどの肉食動物のほか、ゾウやキリン、サイといった草食動物も数多く飼育されており、区画ごとに動物たちが棲み分けされています。専用バス「ジャングルバス」に乗れば、金網越しではありますがエサやり体験もでき、ライオンの大きな口元まで迫るスリルを楽しむことができます。自家用車での入園も可能で、マイペースで移動しながら動物たちを観察できる点も人気です。天候や時間帯によって動物たちの行動が変化するため、訪れるたびに新しい発見があるのも魅力の一つです。
 また、サファリゾーン以外にも、小動物とふれあえる「ふれあいゾーン」や、カピバラ、リスザルなどが間近に見られるエリアも整備されており、家族連れにも大変好評です。季節ごとのイベントやナイトサファリなども開催されており、一年を通じて楽しめるスポットとして多くのリピーターを惹きつけています。富士山の美しい姿を背景に、自然と動物の息づかいを感じる特別な体験ができるこの施設は、静岡県を訪れるなら一度は立ち寄りたい場所のひとつといえるでしょう。

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