静岡県熱海市に属する初島は、伊豆半島の東側、相模湾に浮かぶ静かな離島です。本州から最も近い有人島として知られ、熱海港から高速船でわずか30分ほどの距離に位置しています。この島は、四季折々の自然に包まれた小さな楽園として、多くの旅行者に親しまれています。
初島には、かつて漁業を中心に営まれていた暮らしの名残が今も色濃く残っています。古くは江戸時代から漁業の拠点として栄え、特にカツオやアジ、サザエなどの水産物が豊富に水揚げされてきました。島の住民たちは、自然と調和した生活を長年営んでおり、その素朴で温かい人々の営みが、訪れる人々の心を和ませています。
現在では、観光とリゾートの島としても発展を見せています。島全体が南国風の植物に彩られ、リゾート気分を味わえる雰囲気が漂っています。とりわけ、島内の高台に広がる「PICA初島」では、ヤシの木や芝生の広場、トロピカルなカフェなどが整備され、非日常の時間を楽しむことができます。また、島の南端には自然を活かした露天風呂施設もあり、海風を感じながらの入浴は格別の癒しをもたらしてくれます。
歩いて一周できるほどの小さな島ですが、道中には潮の香りを感じる磯辺の風景や、眼下に広がる相模湾の青い海が広がり、晴れた日には房総半島まで望むことができます。島の南東側には灯台があり、その周囲の展望台からは360度の大パノラマが楽しめます。夕暮れ時には、空と海が茜色に染まり、まるで絵画のような美しい光景が広がります。
また、初島では新鮮な海の幸を活かした食事も魅力のひとつです。港周辺の食堂では、地元で獲れた魚介類をふんだんに使った料理が提供されており、特に初島名物の「イカの丸焼き」や「サザエのつぼ焼き」は訪れる人々に人気です。
静岡県熱海市の初島は、日常から少し離れた場所で、自然や人とのふれあいを大切にした、穏やかで温もりのある時間を過ごせる場所です。都会の喧騒を離れて心をリセットしたいときに、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。
初島(静岡県)

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