木曽三川公園センター(岐阜県)

 岐阜県海津市に位置する木曽三川公園センターは、木曽川、長良川、揖斐川という三つの大河が交わる地域に広がる国営公園の中核をなす施設です。この地は、かつて頻繁に洪水に見舞われた低湿地帯であり、人々の暮らしを守るための大規模な治水事業が行われてきた場所でもあります。江戸時代にはオランダ人技師の協力を得て幕府が治水に取り組み、明治から昭和にかけてもたびたび改修が重ねられてきました。そうした先人たちの努力によって現在のような安全な地域が築かれ、その歴史を今に伝える施設として、木曽三川公園センターは大切な役割を担っています。
 園内には季節ごとに様々な花が咲き誇り、特に春のチューリップや秋のコスモスの時期には多くの来園者が訪れます。広大な敷地には緑豊かな芝生広場や、子どもが自由に遊べる大型遊具エリア、さらには家族でくつろげるピクニックスペースも整備されており、一日を通してゆったりと過ごすことができます。さらに高さ65メートルの展望タワーからは、木曽三川の雄大な流れや濃尾平野の広がりを一望でき、その景観は訪れる人々に深い感動を与えます。
 また、公園内には治水の歴史を学べる展示館もあり、模型や映像を通じてこの地域の地形や水害の記録、そして水と共に生きてきた人々の知恵を知ることができます。自然の恵みと脅威を理解し、未来へどう向き合っていくかを考える場としても、ここは貴重な学びの空間となっています。
 木曽三川公園センターは、自然と人との関わりを見つめ直す場所であると同時に、四季折々の美しさを楽しめる憩いの場でもあります。岐阜県を訪れた際には、ぜひ海津市を訪れ、雄大な川と人の営みが織りなすこの特別な空間を体感してみてください。

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