萌木の村（山梨県）

　山梨県北杜市にある萌木の村は、清里高原の自然に囲まれた美しい場所で、訪れる人々に心の安らぎと四季折々の風景を提供しています。この地はかつて、開拓者精神にあふれた人々によって築かれ、昭和40年代には清里が高原リゾートとして注目を集めるようになりました。その流れの中で、地域の魅力を生かしながら、自然との共生や人とのつながりを大切にした空間として萌木の村は生まれました。
　ここでは、都会の喧騒を忘れさせてくれるような時間が流れています。村内に広がるガーデンでは、季節ごとに違った表情を見せる花々が訪れる人の目を楽しませてくれます。特に初夏から秋にかけては、色とりどりの草花が咲き誇り、写真撮影にも絶好の場所となっています。敷地内にはクラシックな雰囲気の建物が点在し、アンティーク雑貨や手作りの工芸品を扱う店も多く、まるで絵本の中に迷い込んだような気分を味わえます。
　また、村の中心にある「ROCK」というレストランは、地元の素材を生かした料理で人気を集めており、特に自家製のベーコンを使ったカレーは訪れる人の舌を魅了します。そのすぐそばには「オルゴール博物館 ホール・オブ・ホールズ」があり、19世紀から20世紀初頭の貴重なオルゴールや自動演奏楽器の音色に耳を傾けることができます。優雅なメロディーが流れる中で、当時の技術や芸術性を感じるひとときは、日常から離れた特別な体験となるでしょう。
　さらに、毎年夏には音楽やアートをテーマにしたイベントも開催され、多くの観光客でにぎわいます。自然との調和を大切にしながらも、常に新しい文化や表現を取り入れているところが、この村の魅力のひとつです。北杜市という豊かな自然と文化に恵まれた土地で、静かな感動と出会える場所として、萌木の村は多くの人々に愛され続けています。