石川県珠洲市に位置する見附島(みつけじま)は、能登半島の北東部にたたずむ、まるで海の上に浮かぶような神秘的な岩の島です。その姿がまるで軍艦のように見えることから、「軍艦島」という愛称でも親しまれています。高さはおよそ28メートル、白く切り立った岩肌が青い海と空に映えて、訪れる人々を圧倒します。干潮時には、島へと続くように設けられた小道を歩いて近くまで行くことができ、手が届きそうな距離でその雄大な姿を眺めることができます。
この島の名の由来は、弘法大師・空海にまでさかのぼります。伝説によれば、弘法大師が布教のために、佐渡から能登へと渡る際に発見したのがこの場所だったとされ、「見附けた島」という言葉がそのまま地名となったといわれています。
周囲の海岸は穏やかで、晴れた日には水平線のかなたに能登半島の美しい山並みも望むことができます。日の出や夕暮れ時には、太陽の光が島を黄金色に染め、まるで絵画のような風景をつくり出します。特に朝焼けの時間帯には、空と海、島が一体となる幻想的な光景が広がり、訪れる価値のある瞬間となるでしょう。
また、周辺には遊歩道やベンチが整備されており、ゆったりとした時間の中で自然と向き合える環境が整っています。近くの道の駅「すずなり」では、地元の特産品や軽食も楽しめるため、観光の拠点としても便利です。見附島を訪れることで、自然の力強さと、そこに息づく物語の深さを同時に感じることができるはずです。
どの季節に訪れても、それぞれの表情を見せてくれるこの場所は、珠洲市を代表する景勝地の一つとして、多くの人々に愛され続けています。
見附島(石川県)

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