群馬県吾妻郡草津町に位置する「草津熱帯圏」は、標高約1,200メートルの高地にありながら、南国のような動植物が楽しめるユニークな施設です。この場所は、もともと温泉地として知られる草津温泉の豊富な地熱を活かし、そのエネルギーで熱帯環境を再現するという試みによって誕生しました。1970年代に開園されて以来、観光客にとっては草津温泉街の散策とあわせて訪れる人気スポットとなっており、地元の自然エネルギーを活かした地域活性の象徴とも言える存在です。
ドーム型の温室内には、一歩足を踏み入れた瞬間にムッとするほどの湿気と熱気が感じられ、まるで熱帯のジャングルに入り込んだかのような感覚になります。そこでは、ワニやカピバラ、リクガメ、ナマケモノなど、日本ではあまり見る機会のない動物たちと出会うことができます。特に人気を集めているのは温泉に入るカピバラで、寒い季節には湯気の立つ温泉につかりながらうっとりとした表情を見せてくれる姿が、多くの来館者の心を和ませています。
植物もまた見どころのひとつで、バナナの木や熱帯のラン、パパイヤなど、草津町の気候からは想像もできないような種類が温室内に生い茂っています。その中を歩くと、草津という山間の温泉地にいながら、まるで遠い南の国に旅しているかのような気分になります。また、施設の中にはふれあいコーナーも設けられており、小動物と直接触れ合うことができるため、子ども連れのファミリーにも大変好評です。
草津熱帯圏は、草津温泉の「湯治」とはまた異なる癒しの時間を提供してくれる場所です。動物たちの表情や熱帯植物の生命力に触れることで、心も体もリフレッシュされることでしょう。草津町を訪れた際には、ぜひこの異国情緒あふれる空間にも足を運んでみてください。草津の新たな魅力を発見できること間違いありません。
草津熱帯圏(群馬県)

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