鳥海ブルーラインは、山形県飽海郡遊佐町と秋田県にまたがる鳥海山を駆け上がる、全長約35キロメートルの山岳道路です。この道は、標高1,100メートル付近まで車で一気に登ることができるため、ドライブを楽しみながら鳥海山の壮大な景色を満喫できるのが特徴です。かつては冬季の積雪で閉ざされていたこの地域ですが、現在では春から秋にかけて多くの観光客や登山者が訪れる人気のルートとなっています。開通当初から、この道路は人々の交通手段としてだけでなく、山の魅力を存分に味わうための道として親しまれてきました。
山形県側の入口は遊佐町にあり、日本海に面した風光明媚な景色が広がります。ここから車を走らせると、徐々に標高が上がり、沿道にはブナ林や高山植物が広がる自然豊かな光景が現れます。春にはまだ雪が残る中、芽吹き始めた新緑が鮮やかに映え、夏には青々とした木々が清々しい雰囲気を作り出します。そして秋には紅葉が山全体を彩り、訪れる人々を魅了します。
途中には、雄大な日本海と庄内平野を一望できる展望ポイントが点在しており、特に晴れた日には佐渡島まで見渡せることもあります。また、車を降りて散策できるエリアもあり、澄んだ空気を感じながら鳥海山の大自然を身近に体験できます。さらに、この道路の終点近くには鉾立(ほこたて)と呼ばれる地点があり、ここは登山やハイキングの出発点としても知られています。整備された遊歩道を歩けば、鳥海山の荒々しい岩肌や、高山植物が咲き誇る美しい風景を間近に見ることができます。
冬の間は積雪のため閉鎖されますが、春の開通時期には「雪の回廊」と呼ばれる見事な雪壁が出現します。これは、除雪された道路の両側に数メートルもの雪が残り、まるで白い壁の中を進んでいくような光景を作り出すため、多くの人がこの季節ならではの風景を楽しみに訪れます。
このように、四季折々の表情を見せる鳥海ブルーラインは、遊佐町を起点に鳥海山の魅力を存分に味わえる道として、多くの人々に愛されています。ドライブをしながら山と海の絶景を堪能し、時には車を降りて自然の中を歩いてみることで、この地の魅力をさらに深く感じることができるでしょう。
鳥海ブルーライン(山形県)

コメント