ウィルソン株(鹿児島県)

 鹿児島県屋久島町に位置するウィルソン株は、訪れる人々を魅了する神秘的なスポットです。この場所は、世界遺産にも登録されている屋久島の森の中にあり、屋久杉の自然の豊かさと長い歴史を感じることができます。ウィルソン株は、もともと樹齢千年を超える巨大な屋久杉でしたが、16世紀に伐採され、その切り株が現在も残っています。切り株そのもののサイズは圧倒的で、高さ13メートル、直径が約4メートルに達します。この巨木が切り倒された理由には諸説ありますが、仏像の材料として使われたという説が有力です。こうした歴史の中で形作られたウィルソン株は、現在でも特別な存在感を放っています。
 ウィルソン株の内部に入ると、自然の驚異を肌で感じることができます。中は広々としており、小さな部屋のようになっているのが特徴です。雨の日でも切り株の内部に入れば雨宿りができるほどのスペースがあるため、多くの観光客がその大きさに驚きます。特に注目されるのは、切り株の内部から空を見上げたときの光景です。上部がハート型に見える瞬間があり、恋愛成就や幸運を祈るために訪れる人々にも人気です。このユニークな形は、見る角度や立ち位置によって変化するため、訪れるたびに新しい発見があります。
 また、ウィルソン株の周辺には苔むした岩や清らかな小川が流れ、屋久島の豊かな自然が広がっています。この場所に辿り着くまでの登山道もまた、神秘的な雰囲気を楽しむことができる要素の一つです。道中には他の屋久杉や美しい森が広がり、歩きながら自然と一体になるような体験ができます。屋久島町のこの場所は、単なる観光地ではなく、訪れる人々に屋久島の自然と歴史の魅力を深く感じさせる特別な場所といえるでしょう。
 ウィルソン株を訪れることで、自然の偉大さと人の営みの交錯を体感することができます。屋久島町での滞在中、ぜひ足を運び、その魅力を自分の目で確かめてみてください。

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